2008-01-01から1年間の記事一覧
2008年8月30日、国立女性教育会館(NWEC)で行われたワークショップ「パッケージ化への抵抗−コミュニケーション空間におけるクィアな可能性をめぐって」の動画です。 事前準備の様子から、前半司会の井芹真紀子さんによる「クィア」という用語についての説…
「ジェンダーはパフォーマティヴに構築される」というバトラーの理論が、1990年代のクィア・ムーヴメントにおいて大きな人気を得たのはなぜだったのか。また、クィア・ムーヴメントにおいてトランス的パフォーマンスが力を得ていくなかで投げかけられた疑問…
●ジェンダーには本質も根拠もないバトラーのいうジェンダーとは、自然で本質的な根拠があるわけではないにもかかわらず、パフォーマティヴな作用を通じて規範として実体化するものである。つまり、現実的にがっちり機能を果たし、強制力を持ってひとびとの生…
●「自然」に基づくわけではないセックスが「自然」に感じられるのはなぜ?前回解説したバトラーの「セックスはつねにすでにジェンダーである」という主張の補足から。バトラーのこの主張への批判として一般的に聞かれるのは、「セックスが人為的な意味づけで…
出演: 本日のお客さま:山口智美さん(フェミニスト人類学者) マスティー:ミヤマアキラ ホスティー:つな
●話の通じない母、沈んでいく心1998年のある日、母が「ひざの手術をするかもしれない」と連絡してきたので、介護のため帰郷を決意。ところが、手術の話は私を地元に呼び寄せるための嘘だった。私はといえば、「この先ずっと母の介護をしながら青森に暮らすこ…
出演: 本日のお客さま:山口智美さん(フェミニスト人類学者) マスティー:ミヤマアキラ ホスティー:つな
●水商売の世界を渡り歩く大学はなんとかギリギリ卒業した。踊りのプロの道に進むことはせず、水商売の世界でいろいろな店を渡り歩いた。知るひとぞ知る渋谷の『AUBE(オーブ)』に勤めたこともある。赤坂のオナベバーに勤めていたとき、マルサ(国税局査察部…
●本心ではやっぱり男嫌い(笑)大学にはいってまもなく、高校時代に仲良しだった子と再会した。かのじょは看護師になっていた。私は昔の淡い思いもあって再会を楽しみにしていたけれど、かのじょは昔のことを一切口にしなかった。「カッコイイ男がいてさー、…
出演: 本日のお客さま:山口智美さん(フェミニスト人類学者) マスティー:ミヤマアキラ ホスティー:つな
●女は男とつがうことにおいて「女」である「ホモソーシャルな体制」においてジェンダー規範と異性愛規範がつながっているとして、その場合のジェンダー規範は、基本的には男性/女性という区別を前提としている。女性を媒介にして男性同士がつながる、という…
ダンスパフォーマーであり、「青森セクシュアルマイノリティ協会」運営スタッフを務める宇佐美翔子さんに、これまでのライフヒストリーをうかがいました。第1回目は、生まれてから高校時代までをすごした青森での思い出についてお送りします。(聞き手/文…
出演: 居酒屋アキラ マスティー:ミヤマアキラ 居酒屋アキラ ホスティー:つな
●ホモエロティックへの恐怖前回の最後に述べたことをもう一度くりかえしておくと、西洋近代以降の家父長制社会においてはホモソーシャルなつながりがとても強いが、それとホモエロティックな欲望とは完全に切り離すべきである、切り離せるはずだ、という理念…
今回は、セジウィックが提唱した「ホモソーシャルな欲望」理論についての詳細です。西洋近代以降のホモソーシャル体制に見られる二大特徴、「ミソジニー(女性嫌悪)」と「ホモフォビア(同性愛嫌悪/恐怖)」とはどういうものかについて解説します。 ●女よ…
●「女性の交換論」と「欲望の三角形」セジウィックが異性愛規範と家父長制についてはっきりと述べているのは、最初の著作である『男たちの絆(Between Men: English Literature and Male Homosexual Desire)』(1986)。セジウィックはこのなかで「ホモソー…
今回は、講座第1回の補足をふまえて、クィアとは「立場」や「態度」を表明する形容であることの説明と、この学問分野における「規範」の大まかな定義について。規範は、異性愛社会だけでなく、セクシュアル・マイノリティ社会にもあったりするんですよー。 …