車椅子ユーザー(クルマイサー)に対する誤解と偏見(3)


2014年10月08日のツイート

つづき。

まず、クルマイサーは視線が下になるから、健常者はついクルマイサーを見下ろします。
それと、健常者は「珍しいもの」に無意識的に視線をやります。
おそらくコンラート・ローレンツなどの動物的行動心理学だとオデは推測します。

最初はオデも、苦しみました。なるべく他人と視線が合わないように避けました。
ただ、この情けなさは今でも残っていて、いつか健常者にリベンジしてやる!と決意しました。

外出にも慣れてきたし、オデは視線のリベンジに行動を移しました。

その行動は簡単です。健常者に視線を合わせればいいんです。
ただし、視線をロックオンして、瞬きしないようにするのがポイントです。
ついでに言うなら、「目からビーム」を出しているような感じ。たぶんそれは「眼力」です。

1) 自分からは視線を合わせないようにし、
2) 無意識に健常者がオデの目を見た場合、
3) すぐさまその視線にロックオンします。

大抵の人は、視線がハエのように泳がせながら、目を逸らします。

このときオデは、「勝った!!」と心で叫びます。

4) 相手が視線を逸らした場合、オデも後追いはしない、
5) だが、しつこく視線を送る場合、オデも負けじと視線を送り続ける

たとえ、イカついおっさん相手でも、別に平気です。
「頭のおかしい奴」と思われてもいいんです。
「無意識に見る癖」が、「見られる不安、恐怖」になるならば。
そして、オデと「目が合った」ことをおっさんが後悔するならば。

つづく。

車椅子ユーザー(クルマイサー)に対する誤解と偏見(2)

つづき。

三つ目も、別のエレベータに乗るときです。
妙齢の女性が二人、ぺちゃくちゃおしゃべりしながら待っていました。
すぐ隣に階段があるのにもかかわらず、です。
オデはムッとして、二人の横を通り過ぎてエレベータに乗りました。
ドアが閉まるとき、「まあ、呆れた。ありがとうも言わないで…」とおばさんが言いかけるので、オデは「誰が言うか!」と怒鳴りました。

それから、健常者のときもずっと信号無視をし続けましたが、それを注意するひとなんて、誰もいませんでした。
クルマイサーになっても相変わらず信号無視をしました。
確かに、健常者のときよりも危険性が高いことは自覚していますが、横断歩道の向こう側の若い男性が非難するような目でオデを見るので、オデの目も若い男性を睨み返し、応酬(応戦)しました。
いったいこれはなんでしょうね?
クルマイサーは堅実で善人だと思ってるんでしょうか。
ほかのクルマイサーは確かに堅実で善人だと思いますが、オデは違います。めっちゃ悪人です。

オデの外見は確かにおっさんですが、加齢も含め、さらにクルマイサーを付け加えて「おっさん要素」は強化upとなりました。希望するかどうかは別として。
実際、世のなかで見るのは、おっさんのクルマイサーばっかり。
たま〜に若い女性も見かけますが、オデは心のなかで「頑張れ! 負けるな!」とつぶやきます。
クルマイサーが女性の外見の場合、おっさんらに舐められて意地悪されますが、オデの場合、おっさんらがケンカをふっかけてきます。どちらにせよ、クルマイサーにとっては世知辛いようです。

そこで、オデは独自に編み出しました。
クルマイサーでもケンカに絶対負けない方法を。

つづく。

車椅子ユーザー(クルマイサー)に対する誤解と偏見(1)

オデが外見上おっさんなことはみなさんよく知っていると思いますが、女性クルマイサーが外出すると、見知らぬひとから嫌がらせを受けたりします。確かみわよしこさんが、スポークの部分に傘を突っ込まれた、と記載してるのを読みました。
複雑なことですが、オデが「女性だ」と明らかにわかるのは、思いっきり女装したときくらいです。
それでも「女装したクルマイサーのおっさん」でしょうけど、んなこたあどーでもいい。

オデの経験がいくつかあります。一つ目は、電車に乗っていたときです。
いつのもようにオデは、電車のドアとドアの真ん中に立って(座って?)いました。
するとおっさんが、「こんなとこにいるなんて、通る人の迷惑だよ!邪魔だ!」と怒鳴りました。
オデは「んなこと言ったって、地下鉄の運営会社にクレームつけろよ!」と思いましたが、言語障害なので黙ってそのおっさんの目を睨みました(いまじゃ、「あっそ! それがどうかしたしたんかい?!」と怒鳴り返します)。
おっさんは、自分を「正義の味方」だと勘違いしています。
オデがここにいて邪魔なのは、本当はオデのせいじゃない。電車のなかで車椅子のスペースがない設計ミスのせいだ、と思いました。
なのにおっさんは、手軽にクレームをつけられるオデ(要するに弱者)をターゲットに選んだのです。
東京の公共交通機関に、車椅子専用スペースが確保しているのは、バスと都営地下鉄(あと新幹線?)だけなのですが、そんなこと健常者が知るよしもありません。

二つ目は、エレベータに乗るときです。
またしても図々しいおっさんが、オデの後から乗り込み、先にエレベータを降りました。
オデはわざとクルマイサーを移動して、そのおっさんに悪意を持ってぶつけました。
おっさんは、「いてぇな!謝れよ!」と怒鳴りましたが、オデはおっさんの目をじろっと睨みました。
もちろん、謝りもしませんでした。
そのとき、おっさんが自分の顔を近づけ、「これは唾を吐くチャンス!」と思いましたが、オデは口のなかまで麻痺しているので、その唾がうまく目に的中しないかもしれません。
そのおっさんは、タイヤを蹴りました。衝撃はあまり強くなかったので、脚力が弱いか、おっさんひるんだかのどちらかです。
次の機会が遭ったら、前頭部の髪を引きちぎるか、もしもハゲてるときの場合は、耳たぶを引きちぎってやるかのどちらかの戦法でいきます。オデはやるぜオデはやるぜ!!
(そのうち『車椅子でケンカに勝つ方法』でも書いてやる!)

つづく