婦人科医に聞ける!FTMと治療 本当のトコロ ー健康に暮らしていくためにー(7)
▶性の自己決定権ですが、基本的人権のとても重要な部分ですね。これは自分で性を決定して選んでいくことは誰にでもある権利です。自分の身体は自分のもの。
子宮頸がんのお話を。子宮頸がんはセックスで感染する癌で、性成熟期にある20〜30代でいまとても増えていて、毎日毎日全国で10人が死んでいます。
ワクチンが2009年に入ってきた。インフルエンザみたいに予防接種しましょうということで発売になり、去年(2013)の4月から、小6から高校1年生までの女子は無料で接種しましょうということになったんだけど、副反応の問題で今ストップになっていて打つ人ほとんどいないんだけど、けっこう怖い病気ではあるんです。若いと癌も進行が早いので、子宮の入り口のところの癌ですね。奥のほうの胎癌は年とった人のほうが多いんだけど、最近2、30代でなることもあるけどすごく少ない。この子宮頸がんがいま若い人がかかることがすごく多い。
ウィルスの型は、ヒトパピローマウィルスといって15種類くらいの癌をつくって、その中の16型と18型は、特に海外では年いった人が多いんだけど、日本では若い人がこの型にかかる人が多い。この2つを予防するのがワクチンなんですね。20代30代の人でもぽつぽつ打っている人がいますが、一番いいのは、まだ性交経験のないうちに打っておくほうがいいけど、それがまだできていない状態になっているので、子宮頸がんはこの先10年20年ですごく増えてくるんじゃないかと私たちは危惧しています。
騒ぎになったのは、打った後に痛みが起こってとんでもない痙攣を起こして画像が出て大騒ぎになったんだけれど、ワクチンを打ったり飲んだりした後に、望ましくないことは「有害事象」というのね。たとえば、針を打って交通事故に遭うのが有害事象。交通事故とワクチンは関係ないと思いますが、でも有害事象として一応挙げないといけない。そういうものの中から、実際にワクチン打ったからそうなったと科学的に実証されると「副反応」、お薬の場合は「副作用」ということになる。それがぐちゃぐちゃになって報道されたので、まだ副反応と決まっているわけじゃないんですね。あれは「正当痛症候群(もしかして複合性局所疼痛症候群(CRPS)?)」ていうんだけど、針を刺したことによってたぶん起こるんじゃないかと。風疹のワクチンとか採血とか輸血とか、交通事故の後にも報告例があるので、たぶんそっちのほうだとは思うんだけど、もたもたと厚生労働省がやっているので進みません(笑/えないw)。
つづく。