モンスターなテイコさん、エイリアンなススムさん(7)

つづき。

えーと、そろそろ自分で自分が飽きてきました。読者もみなさんもうんざりしているかと思いますが、無視して話を続けます。これがけっこうしんどい。

直観が鋭いフェミニストな読者さんたちは、もうおわかりだと思います。「ススムさんがひどい!」と。オデも同意します。

管理職になったススムさんは、それでも耐えに耐えてテイコさんとオデに仕送りを続けました。たとえ彼に使えるお金がなくなっても、その辺に生えている野草や果物を調理して食べて生き延びているのでした。元ビンボー人は逞しい。

オデが上京したと同時に、ススムさんも単身赴任で転勤しました。テイコさんは、「あたしは絶対に行かない!」と拒みました。当時、管理職になったススムさんは、単身赴任であることが何かとネックになりました。酷いケースでは、単身赴任というだけで管理職失格だそうでした。かつてススムさんの上司(前任校の校長先生)が、「俺が支援する! お前はあそこで校長になれ!」といい、有言実行したそうです(まるで『プロジェクトX』…)。
管理職になると給料が一段と高くなりますが、そのぶん流言飛語が原因で失職するかもしれません。その一番の被疑者がテイコさんでした。テイコさんは決して「内助の功」ではありません。ススムさんの足を引きずり降ろすかもしれません。

テイコさんはときどき抜き打ちで自宅捜査をし(オデのときよりマシ)、「茶碗が二つあった! これは浮気に違いない!!」とススムさんに直談判したそうです。同時にテイコさんはオデに電話して、「父さんは浮気してる。それも年いった事務員ではなく、あんたと同じ女子高校生とだよ!」オデはショックでした。その後、ススムさんが笑いながらオデを強姦する悪夢を見たくらいに。

オデは、テイコさんが電話したり自宅に来たりするたびに、どうしてこんなに鬱になるんだろう? と思いました。2003年のとき、北国の出張取材の話はすでにしていましたが、「これはススムさんとサシで話すしかない!」と直感しました。

そのお陰で、テイコさんの洗脳から、オデはやっと解放されました。家出してから15年。長かった…。
しかも敵は遠隔操作もしています。頭脳明晰で執拗で、敵も天晴れという感じです。どっかの国の外交官僚かと思いました。

…え? どこに「ススムさんひどい」話があるって? とフェミニストの読者さんたちはきっと疑問に思うでしょう。

話はこれからです。

管理職のススムさんは、「敵に塩を送る」ことを続けました。つまり、テイコさんとオデの送金です。結局、自己保身ですが、それがススムさんの離婚には功を奏しました。

ススムさんは弁護士をつけて訴訟を起こしました。法的に夫婦であるからには、夫は経済的に家族を扶養する義務があるし、妻は家事や育児、性的行為の義務があるからです(育児は終了しましたが、夫の家事と性行為がまだありますから)。

ススムさんは、貯金通帳の記録があるので、家族扶養義務はありました。
ところが、テイコさんの家事や性行為義務は、なんの証拠もありません。
ススムさんの証言を家庭裁判所は信じたのです。

ススムさんが言うには、「昭和58年から、夫婦の性行為は一切ない」と。
オデが13歳のときです。確か夫婦の部屋は別個になり、ふたりとも個々で寝ていたような記憶があります。

(…ってことは、それまでてめーらセックスしてたのかよ驚愕だわ!!)

つづく。