マイナー映画マニア自慢(3)


第3位 原一男ゆきゆきて、神軍』(1987年、日本)



ドキュメンタリー監督といえば原一男。『ゆきゆきて、神軍』はまだいいけど、『さようならCP』(1972年)は、大いに異論があった。


当時は学生運動などの社会運動が盛んで、勢いに乗った障害者グループ「青い芝の会」が人権運動をやったときだった。


映画の中では、障害者同士が語り合って、あえて性に関する話題を出していた。みな「健常な男」並になりたいのだ。


障害者といえども、しょせん男。少女を無理矢理レイプした自慢話を、みんな笑ってしゃべっていた。


弱い者は、より弱い者を搾取する。人権尊重を訴える弱者は、より弱い立場になった者の人権を蹂躙する。


現に、障害者が自宅で行った集会を、その一人の嫁に黙って家事をやらせていた。彼女もまた障害者である。


気分が悪くなった。かつてフェミニズム運動と障害者運動が衝突したことがあった。「母よ!殺すな」が発端となった、母親の立場か、それを育てる障害児の立場か議論が衝突となり、紛糾した事件だ。その解決案というか両者の和解案を、わたしはまだ知らない。


ただわかることは、障害児の立場をとって発言する、厚顔無恥で卑怯な「健常な男」だ。障害児を殺した母親の場合、その不甲斐ない無能な父親は、いったい何をして、どこに隠れていたのか? 母親に全責任をおっかぶせて、いったいどこに消えた??