マイナー映画マニア自慢(1)

第3位 ヤウ・チン『LET'S LOVE香港』(2002年、香港)



あらすじを書くより本編を観たほうがいいのだが、その本編を探しても見当たらない人へ。

ここにはボーイッシュなレズビアンが三人登場する。

一人は、マーケットで携帯販売する気さくな貧乏人(ゼロ)で、もう一人は、ネットのAV女優をやってそこそこ稼いでいるが、孤独で塞いでいる人(チャン)、最後の一人は、長い下積みを続け、現在は金も力も手に入れた女性社長(ニコール)だが、自宅に帰るとPCをオンにして、お気に入りのチャンを見つめる。


その三人が出会うのだが、悲しいことにすれ違う。映画のような運命的ドラマではない、わたしたちは現実を観ているという、辛辣なメッセージである。


ネットではわかったようなわかってないようなクソにもならない映画評ばっかだが、「キリンのサバイバルのために──ジュディス・バトラーアイデンティティ・ポリティクス再考」 (『現代思想 vol.34-12 2006年10月臨時増刊 ジュディス・バトラー──触発する思想』, 青土社, 06)を読んだときはハッとした。読みたいなら読め。