モンスターなテイコさん、エイリアンなススムさん(9)

ほんのちょっとだけ番外編のつづき。

前回までで、ススムさんが「エイリアン」であることはお分かりいただけたでしょうか。

…え? 分かりにくいって? ほしがるねー(誰もそんなこと言ってない)。

後日談(2014年9月)ではありますが、ススムさんとシュウコさんが別々に寝ていました。ふたりが再婚して今年で10年目です。いい加減、二人のやり取りでなんとなく雰囲気がわかりました。ふたりは「冷戦状態」だったのです。オデは30年前のデジャブかと思いました。

テイコさんも筋金入りの頑固者でしたが、頑固者ならシュウコさんだって負けてはいません。DVのサバイバーってことは容易に納得します。

シュウコ「わたし、いままで甘えたことがないの。どんなに辛くても苦しくても、誰かに甘えて『助けてほしい』って言ったことがないの。ウフフ♡」シュウコさんはあっけらかんと笑って言いましたが、それは苦労や苦痛を克服した平穏な境地にいるからだとオデは思います。

オデが脳梗塞を発症する1年前、ススムさんも「隠れ脳梗塞」になりました。食事は右手ばかり使って食べこぼしするし、トイレに行っては尿漏れをするし、ソファで眠っているときに、イビキと同時に口の端からヨダレをブァ〜ッとこぼしていました。シュウコさんは丁寧に後始末をし、「あんた絶対におかしい」と言っても、ススムさんは絶対認めませんでした。(それはオデにも経験があります。オデの場合、はっきり身体障害という後遺症が出ましたが、ススムさんの場合は本人に自覚できる症状がないからです)

病院に行ってMRIだかCTスキャンを撮ると、証拠の写真があります。医者に「隠れ脳梗塞ですね」と言われて、ススムさんはやっと認めたのでした。(発症から5年目で、ようやく症状が回復してきました)

だからといって、遠隔地に住む身体障害者のオデは、ススムさんやシュウコさんを介護することはできませんし、そもそもあの夫婦の成り行きも期待していません。だから、生暖かく見守っています。

以上、暫定的におわり。