トランスジェンダーをめぐって、オデ自身が考えること(6)
つづき。
その二人の若いトランスジェンダーですが、一人は高校時代に援助交際しており、もう一人は大学卒業後に売春行為をしていました。
どちらも相手は男性のお客さんです。
「ちょっと待て! トランスジェンダーなのに、結局は男とセックスするんかよ?」と疑問に思ったあなた。
あなたは、トランスジェンダーの貧困の背景事情がぜんっっっっぜんわかっていない。
まず、トランスジェンダーとは、性自認がありません(男でも女でもない、男でも女でもありうる、など)。
次に、性嗜好はひとそれぞれです。
男性を好きになったり女性に恋したり、あるいは両性とも惚れ込んだり、ときには、自分と同じようなトランスジェンダーと付き合ったりします。
それから、男か女か外見ではわかんなくて就職先にまったくアクセスできないし(社会から排除される)、ついでに社会経験のない女子なら、東京でも地方でも売春で生活を凌ぐしかないじゃんか!それしかサバイブする方法がないよ!!!
…つい、カッとなってしまいました。反省。
気を取り直して続けます。
オデの場合は、あくまでトランスジェンダーではありませんが(ノンヘテロと言っています)、就職する以前に、男性用でも女性用でもスーツなんて窮屈でやだ! 集団行動苦手! 毎日同じ会社で同じような面子で詰まんない業務をする、そんな会社なんか行きたくない! 息が詰まりそう! サラリーマンになんか絶対ならないぞ!と思い、私服(GパンとTシャツ)で働けるドキュメンタリー映像制作会社を選びました。
就職情報誌も読まないで、バイト雑誌に募集を出している会社にサクッと面接して正社員採用、だったのです。
(確かに、時代はバブル真っ盛りで、新卒就職学生は売り手市場でした。要するに「入れ食い」です)
その正社員を務めた1年後、オデはあっさり会社を辞めました。理由は下記のとおりです。
男女雇用機会均等法が1986年に変遷され、社長は「これからは、男も女も平等に働け」と言いつつ、「女性の視点を持ち込め」「女性の感性が大事」など矛盾した発言(要するに社長もわかってない)が多いので(フェミ業界では「ダブルスタンダード(=二重基準)」といいます)、真面目に聞いていたらオデが混乱するわい、と思ったのでとっとと逃げました。
それから、フリーター(死語)しながらシアターカンパニーの制作をしていました。
そのシアターカンパニーが、なぜか男性向け雑誌に掲載されることが多く、オデは渉外と称して男性の(エロ専門の)フリーライターたちと仲良くなりました。
で、オデもフリーランスとして10年この仕事を続けました。
その延長で、デルタGが誕生したのです。
つづく。